電圧ディップ / 短時間停電

  • Voltage Dips / Short Interruptions
  • 电压暂降 / 短时中断
  • 순시전압 저하 (DIP) / 순시 정전

商用電源は、落雷などの影響により電圧が低下したり、停電したりする場合がある。
電源電圧の一時的な低下や停電によって、機器類に悪影響が及ぶことがないかを試験する方法が、IEC 61000-4-11(電圧ディップ、短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ規格)で規定されている。

IEC 61000-4-11では、各現象を以下のように定めている。

  • 電圧ディップ(Voltage Dips)
    電力供給システムのある地点において発生し、短時間で復帰する、規定の電圧ディップしきい値以下への突然の電圧低下。
  • 短時間停電(Short Interruption)
    電力供給システムのある地点において発生し、短時間で復帰する、規定の短時間停電しきい値以下へのすべての相の突然の電圧低下。

いずれの現象も、ほとんどの場合、送電システムに備えられた各種保護機能の働きにより、短い時間で復旧する。
電圧ディップと短時間停電のちがいは、商用電源に生じた障害の影響により、送電システムに備えられた遮断機が動作したかどうかである。
遮断器が動作すると、停電は全ての相に及び、復帰に要する時間も長くなる。これが短時間停電である。
一方、障害が瞬時に消失して遮断器が動作せず、短ければ半周期、長くても数十周期で電圧が復旧するのが、電圧ディップである。

IEC規格が規定する試験時間の一例を示す。

  • 電圧ディップ(クラス2、50Hzの場合)「0%(0.5周期)」「0%(1周期)」「70%(0.5秒)」の各現象を被試験器に与える。
  • 短時間停電(クラス2、クラス3の場合)「0%(5秒)」を同様に与える。
電圧ディップ 40%・5周期 波形例
図1 電圧ディップ 40%・5周期 波形例
電圧ディップ 0%・0.5周期 波形例
図2 電圧ディップ 0%・0.5周期 波形例

Topics  電圧ディップ、短時間停電、サグ

定義からわかるように、電圧ディップは0%も含め40%や70%といった電圧低下状況が存在しますが、短時間停電は0%のみとなります。
被試験器には、各現象の印加後、使用環境や要求に応じた適切な振る舞いが求められます。詳しくはIEC規格をご参照ください。
なお、商用電源に生じる同様の現象を扱う規格として、主に半導体市場で用いられるSEMI F47があります。SEMI F47は、電圧低下を総称してサグと呼んでいます。

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