高速応答・高安定度
時定数
検波部の最小時定数は、LI5660 / LI5655で1μs(LI5650 / LI5645は5μs)です。
ロックインアンプ本体の性能向上により、高周波かつ高速応答を実現しました。
時定数設定
同期フィルタ
信号の整数周期の同期(移動平均)フィルタを搭載しています。この機能により検波に伴う測定信号のリプルを低減できます。同期フィルタは時定数フィルタとは独立した動作のため、時定数を大きくすることなくSN比を改善でき、結果として高速な応答を得られます。
低い周波数でも高速にロック
デジタル方式の採用により、低周波(数Hz以下)では、約2周期で参照信号にロックします。
優れたダイナミックリザーブ
位相検波とそれ以降の処理のデジタル化により、アナログ方式に比べて高ゲイン時の出力ドリフトが小さく、最高100dBのダイナミックリザーブが得られます。(信号フルスケールの100,000倍の雑音下で測定が可能です。)
広帯域
高周波入力端子により最高11MHz(LI5660)
電圧測定は、シングルエンド(A)および差動(A-B)入力に加え、LI5660 では10Vrms入力(C)、高周波入力(HF)の端子を装備しています。
HF入力端子では、最高11MHzの測定が可能です。
LI5660 信号入力端子
2周波数同時測定
2位相(Rcosθ、Rsinθ)、2系統(主検波器、副検波器)
- 2つの周波数成分を同時測定
- レシオ演算
- 位相検波器の縦続接続
LI5660 / LI5655 / LI5650 は、2位相検波器(PSD)を2系統装備し、1つの入力信号に含まれる2つの周波数成分を同時に測定できるので、従来なら2台のロックインアンプが必要だったデュアルビーム法などの測定が1 台で可能となります。また、測定値と基準値の比を求めるレシオ演算や、主検波器に副検波器を縦続接続して、信号を主検波器で検波後、さらに副検波器で検波することも可能です。
2 周波モード(DUAL1) 設定
分数調波測定
基本波の分数倍の周波数(1~63)/(1~63)
基本波の分数倍の周波数で測定できます。LI5660 / LI5655 / LI5650 の2 周波モードでは、主検波器に与える参照信号周波数を主周波数のn/m 倍に、副検波器に与える参照信号周波数をn 倍または主周波数とは異なる値にして測定することも可能です。
分数調波測定
高調波測定は2つの測定周波数の間が整数倍(f2=(f1×n))です。この場合、f1側の信号にひずみがあると整数倍の周波数(高調波)となり、f2 の信号と区別できなくなります。分数調波測定ならば、f2=f1×n/m の関係で測定できるので、f1にひずみが発生しても、f2 に影響のない周波数を設定でき、f1の高調波の影響を受けずにf2の高感度測定が可能となります。
検波モード一覧
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- LI5645 は2位相・1周波数につき、SINGLEモードのみ
Technical Info
【基本波成分に対する任意次数の高調波含有率の測定】
「2周波数同時測定」と「分数調波測定」を組み合せた測定例。詳細
外部10MHz同期
外部基準周波数を用いて、他の機器の周波数基準と同期可能
信号発生器など他の機器とロックインアンプを共通の10 MHz 周波数源に同期して動作させると、外部参照信号(REF IN)を用いずに、任意の周波数(数値設定)で同期できます。
外部10MHz 基準周波数入力設定