フローティング

  • Floating        
  • 浮置        
  • 플로팅

フロート(float)とは、「(水面や空中に)浮く」と意味である。
フローティングは、電位が独立しているという意味だが、「浮く」という表現を用いる。

信号発生器などの2端子出力で、コールド端子が筐体に接続されている場合がある。これは、ノイズ特性が良好などという利点があるが欠点もある。
例えば、チャネルが複数存在する信号発生器やオシロスコープでは、それぞれのチャネルのコールド端子が共通となる。各チャネルの接続先が異なる基準電位で動作している場合は、コールド端子を通じてそれらが接続されてしまうという弊害がある。
コールド端子が筐体に接続されず、かつ独立していれば、それぞれのチャネルの異なる基準電位が保たれる。これがフローティングであり、文字どおり「周囲から浮いている」となる。

GNDが共通の場合、耐ノイズ性は向上することもあるが、共通接続によって長大なループが形成され、ノイズ経路となってしまう場合がある(グラウンドループ)。
この場合は、フローティングにすることでループが切断され、グラウンドループ起因のノイズを減少させることができる。

フローティングのあるなしは、どちらが優れているといった単純な問題ではないため、接続される機器との関係や状況によって使い分けをする必要がある。異なる基準電位を扱う時は、測定対象物と使用する測定器間の電位について、十分に考慮をしなければならない。

フローティング回路図
図1 フローティング
コールド端子が独立しているので、
回路Aと回路Bは異なる電位のまま。
フローティングではない場合の回路図
図2 フローティングではない場合
コールド側端子を通じて回路Aと回路Bが
接続されてしまう。

Topics  フローティング電圧値

フローティングされていても、常に過大な電位差を許容できるわけではなく、機器のフローティング電圧値を確認する必要があります。例えば、当社の信号発生器 WF1974 は、筐体に対して 42Vpk のフローティング電圧です。そのため、フローティング部分に 42Vpk を超える大きな電圧を加えることはできません。
それに対して、周波数特性分析器 FRA51615/FRA51602 のフローティング電圧は、入力・出力ともに、600Vrms です。そのため、これらの機器は、異なった基準電位の大振幅信号を直接接続できるという強みがあります。例えば、電圧が大きく、かつ一次・二次間の電位が異なる絶縁型電源も直接接続して測定することが可能です。

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