ESR(等価直列抵抗)
- Equivalent Series Resistance
- 等效串联电阻
- 등가직렬저항
ここでは、Electron Spin Resonance(電子スピン共鳴)ではなく、Equivalent Series Resistance(等価直列抵抗)について説明する。
JIS C 5602(電子機器用受動部品用語)では次のように定義している。
等価直列抵抗
コンデンサのインピーダンスを等価的に抵抗分とリアクタンス分の直列回路で表したときの抵抗分。
ここに、
R:等価直列抵抗(Ω)
Z:インピーダンス(Ω)
X:等価リアクタンス(Ω)
コンデンサの直列等価回路は図1のようになる。
ここで、
C = コンデンサ(キャパシタンス成分)
L = 等価直列インダクタンス=リード線や電極などのインダクタンス成分
R = 等価直列抵抗=電極、電解液、誘電体などの抵抗の合計
コンデンサの直列等価回路は図1のようになる。
理想コンデンサのESRはゼロである。
コンデンサが不良になるとESRが高くなることが多く、ESRが高いコンデンサを含む回路は、動作が不安定になったり、異常発振や誤動作などを起こしたりすることが多い。また、コンデンサにリプル電流が流れるとESRで損失が発生し、異常発熱によってさらにコンデンサの劣化が早まる。
ESRが正常値より大幅に大きくなっても、コンデンサの容量は正常値を示すことが多い。そのため、LCRメータなどで容量を測定するときは、ESRにも気をつけたほうがよい。
電解コンデンサの場合は、L分よりもR分の影響が大きく、インピーダンス特性は図2のようになる。ただし、L分が影響すると、インピーダンス特性はV字形になる。