立ち上がり/立ち下がり時間
- Rise Time / Fall Time (Leading Edge Time / Trailing Edge Time)
- 上升/下降沿时间
- 상승/하강시간
立ち上がり時間という用語は多くの分野で使われているが、ここではパルス用語として説明する。
JIS C 0161(EMCに関するIEV用語)では次のように定義されている。
パルスの瞬時値が最初に規定した下限値に到達し、その後規定された上限値に到達するまでの時間間隔。
注:特に規定されていない場合、下限・上限値はピーク値の10%及び90%に固定とする。
アンプなどの立ち上がり時間 tr は、パルス信号を入力して出力波形から算出することができる。
ここに、
tr:アンプの立ち上がり時間
tr1:入力パルス信号の立ち上がり時間
tr2:出力パルス信号の立ち上がり時間
Topics アンプの立ち上がり時間と周波数帯域
アンプなどの立ち上がり時間と周波数帯域幅は、一般に次の式で関係付けられます。
立ち上がり時間=0.35/周波数帯域幅
例えば、周波数帯域幅1MHzのアンプの立ち上がり時間は概ね0.35μsとなります。
この式は、オシロスコープで観測した方形波応答波形から、アンプの周波数帯域幅を推測するのにはとても便利です。
この関係式の値は、1次のLPFのステップ応答であるイクスポネンシャルカーブの式から簡単に求めることができます。
周波数帯域幅100MHzのオシロスコープの最速立ち上がり時間もこの式から3.5nsと求まります(オシロスコープの応答は1次のLPFとは異なりますが、実用上は十分近い値です)。
なお、立ち上がり時間/立ち下がり時間は、Leading Edge Time / Trailing Edge Timeと呼ばれることもあります。