電源評価
周波数特性分析器を用いた評価
小型化のために高周波化が進むスイッチング電源、高電圧化が進む太陽光発電向けインバータなど、
電源技術を取り巻く環境は著しく変化しています。
このコーナーでは、電源回路の安定性の定量的な評価についてご紹介します。
周波数特性分析器を使った試験の事例
電源回路の安定性評価 ループ・ゲイン測定
スイッチング電源の内部は、負帰還回路で構成されており、その安定性の定量的な評価にはループゲイン測定が不可欠です。
- 実駆動状態のもと、広い周波数帯域に渡って、利得±0.01dB, 位相±0.06°と高精度で短時間に測定が可能
- 600V CAT II / 300V CAT III により、非絶縁型PFC回路を商用電源に接続した測定に対応
DC-DCコンバータのループ・ゲイン測定
実駆動状態でDC-DCコンバータのループ・ゲイン特性を測定し、位相余裕・利得余裕から回路の安定性を定量的に評価します。
- 負荷:スイッチング周波数1MHzのDC-DCコンバータ
- 測定条件:スイープ周波数100Hz ~ 1MHz、注入抵抗 51Ω
測定結果
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位相余裕・利得余裕
余裕が大きいほど、リンギングや発振が抑えられます。 -
クロスオーバ周波数
負荷変動時の応答性の目安になります。
非絶縁型PFC回路のループ・ゲイン測定
非絶縁型のPFC回路では、出力が入力電源の電位となります。出力の測定器にCAT規定がない場合は、入力側に交流安定化電源を使用する必要があります。
FRA51602は、絶縁なしで商用電源に接続して測定できるので、商用電源を実際に使用する時の評価試験にも対応します。
出力インピーダンスの周波数依存性測定
スイッチング電源の出力インピーダンスが大きいと、負荷が接続された際に出力電圧が低下することから出力インピーダンスの把握が必要です。
また、負荷は変動するため、無負荷と定格負荷時のみの評価ではなく、交流的な出力インピーダンスの評価が求められます。
この測定には、インピーダンス測定が可能なFRA51615を使用します。1台でループ・ゲイン測定とインピーダンス測定が可能です。
- 実駆動状態において、出力インピーダンスおよび位相を高精度に測定可能
- 広い周波数範囲(10µHz ~ 15MHz)で測定可能で、高速変動する負荷の影響を把握
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