LCRメータZM2371 / ZM2372

ZM2372

¥220,000 ~(税抜)

概要

電子デバイスの研究・開発から、生産・品質保証まで、さまざまな測定に対応。 

最速2ms、基本確度 0.08%、測定周波数分解能 5桁

ZM2371/ZM2372は、コイル、コンデンサ、抵抗等電子部品・材料のパラメタの絶対値を高速かつ高精度に 測定するLCRメータです。
最速2msの高速測定と基本確度0.08%の高精度を実現し、ラボや生産・検査ラインのさまざまな測定に対応する便利な機能を充実装備しています。

  • 測定時間 最速 2ms
  • 基本確度 0.08%、表示分解能 最高6桁
  • 測定周波数 1mHz~100kHz、設定分解能5桁
  • 測定信号レベル 10mVrms~5Vrms/1μArms~200mArms
  • DCバイアス用電源内蔵 0~+2.5V
  • 定電圧/定電流駆動、DC測定、コンパレータ機能、偏差表示、トリガ同期駆動、設定・補正値メモリ
  • 4端子コンタクトチェック機能*、ハンドラインタフェース*、USB/GPIB*/RS-232インタフェース
  • データ取り込み用アプリケーションソフトウエア、LabVIEWドライバ
  • 部品測定用治具として、各種テストフィクスチャ、テストリードを用意(別売)

*ZM2372のみ

ラインナップ

ZM2376 (5.5MHzモデル) の情報はこちら 詳細

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  ZM2371 ZM2372 ZM2376
測定周波数 1mHz~100kHz 1mHz~5.5MHz
基本確度 0.08%
測定信号レベル 10mVrms~5Vrms, 1μArms~200mArms
内部直流バイアス 0~+2.5V 0~+5V
測定パラメタ Lp, Ls, Cp, Cs, Rp, Rs, |Z|, |Y|, G, Q, D, θ, X, B, Rdc(直流抵抗)
測定時間 最速2ms
コンタクトチェック
機能
なし あり
(4端子コンタクト)
あり
(コンタクト・低容量)
インタフェース USB/RS-232 USB/RS-232/GPIB USB/RS-232/GPIB
/LAN(オプション)
ハンドラ
インタフェース
なし あり

計測事例

特長

高速測定 最速2ms

測定時間は、RAP, FAST, MED, SLOW, VSLOの5段切換え。 RAPに設定すれば、2ms(1kHz)、10ms(120Hz)の高速測定が可能ですので、生産・検査ラインでの部品検査/選別の時間短縮に貢献します。

高精度 基本確度 0.08%、表示分解能 最高6桁

測定の基本確度は0.08%の高確度、表示分解能は最高6桁、主要測定範囲で5桁の高分解能を実現。生産・検査ラインや研究開発の現場に信頼の精度でお応えします。

高分解 測定周波数 1mHz~100kHz、設定分解能5桁

1mHz~100kHzの広範囲にわたって、5桁の高分解能で周波数を設定可能。試料の詳細な周波数特性を測定・評価できます。

広い測定信号レベル 最大5Vrms

10mVrms~5Vrms/1μArms~200mArmsの測定信号レベルを3桁の分解能で設定可能です。また、ALC(自動レベル制御)機能により、定電圧/定電流駆動を設定できますので、試料の電圧/電流依存性を考慮した安定した信号レベルで、再現性の高い測定が可能となります。

DCバイアス用電源内蔵 最大2.5V

0~+2.5V(分解能0.01V)のDCバイアス用電源を内蔵。電解コンデンサのような有極性部品や半導体の接合容量測定が可能です。また、DC電圧バイアスアダプタ*を使えば、試料に±40Vのバイアス電圧を印加することができ、大容量積層セラミックコンデンサの電圧依存性などの測定に対応します。

*オプション

多彩な機能を搭載

定電圧/定電流駆動

一定の電圧/電流信号を印加することにより、安定した測定が可能

DC測定

トランス・コイル・抵抗器などの抵抗値測定に便利。主パラメタにインダクタンス、副パラメタに直流抵抗の測定値を同時に表示することができます。

4端子コンタクトチェック機能(ZM2372のみ)

測定先端部と部品間の接触不良による誤測定や誤選別を防ぐため、ZM2372では、4つの測定端子でコンタクトチェックを行い、不良判定をします。これにより、不良品の流出を排除します。
(コンタクトチェックによる追加時間 4ms)

4端子コンタクトチェック機能

点線間が導通しているかどうかをチェック
(コンタクトチェック)

コンタクト不良の場合は不良判定

Step1のコンタクトチェック後、点線間を測定
(本測定)

コンパレータ

主パラメタは最大14個*のBINに分類、副パラメタでは設定した上下限値1組の測定結果を選別することができます。測定値、偏差または偏差%による選別が可能で、判定結果は、ハンドラインタフェース*に出力されます。また、判定結果に応じて、ビープ音を鳴らすこともできます。
リモート制御では、リミット判定機能を用いて、主パラメタ・副パラメタの上下限値(各1組)に対して判定することも可能です。

*ZM2371:最大9分類、ハンドラインタフェースは装備されていません。

偏差測定

測定する部品の基準値をあらかじめ設定し、基準値からの偏差、偏差%を表示できます。
部品の許容差の規格値に対する合否判定や温度特性試験などで有用です。

トリガ同期駆動

コンタクトしている期間だけ試料を駆動することができる機能です。
大容量コンデンサ測定時に、試料の付け外しによるコンタクト損傷を低減することができます。
履歴特性を持つ試料の場合、短時間で測定すると測定値が大きくばらつきます。トリガ同期駆動を使うと、各試料に加わる駆動信号と取得される信号の時間および位相関係が一定になり、測定値のばらつきが抑えられ、測定時間を大幅に短縮することができます。

設定・補正値メモリ

32組の設定条件や補正値を不揮発性メモリに保存/復帰可能

その他の機能

  • 補正機能(オープン補正、ショート補正、ロード補正、ケーブル長補正)
  • モニタ表示(電圧・電流)
  • 放電保護

インタフェース

  • ZM2371:RS-232、USB
  • ZM2372:GPIB、RS-232、USB、 ハンドラインタフェース
インタフェース(背面)

アプリケーションソフトウェア

各種測定条件の設定や測定データの取得・表示が可能なソフトウェアが標準で添付されています。
CSVファイル形式で測定データを取得できますので、研究開発における膨大なデータの処理に便利です。また、周波数スイープ測定により、インピーダンス-周波数特性の測定に対応します。

メイン操作画面

メイン設定画面
メイン設定画面
Excelを用いたグラフ表示
Excelを用いたグラフ表示

測定例

100μF電解コンデンサ
100μF電解コンデンサ
2MHz水晶振動子(共振点付近)
2MHz水晶振動子(共振点付近)
フィルムコンデンサ2.2μF
フィルムコンデンサ2.2μF
インダクタ 1mH
インダクタ 1mH

動作環境

OS:Windows 10、Windows 8.1(32ビット/64ビット版)
インタフェース:USB
(設定や測定データをXLS形式で保存するには、Microsoft Excel 97以降が必要です)

本体に付属。ダウンロードでも入手可。

確度の算出

LCRメータにとって重要な性能の1つが「測定確度」です。代表値は仕様書に記載されていますが、実際の確度は測定周波数、信号レベル等、諸条件によって大きく左右されます。
ここでは、測定時の条件から実際の確度を求める方法について解説します。

測定確度表には、基本・比例、比、信号レベル、残留インピーダンス、残留アドミタンス、ケーブル長、DCバイアス、温度依存の各係数表があります。これらの表から値を読み取り、確度を計算します。

測定時の条件

以下の例にて解説します。

例:電解コンデンサ測定時の測定条件

(1) 測定速度
(RAP, FAST, MED, SLOW, VSLOから選択)
MED
(2) 測定周波数
(1mHz ~ 100kHz)
120 [Hz]
(3) 測定信号レベル:V
(信号レベルの設定値、~5Vrms)
1 [V]
(4) 周囲温度:T
(本器の周囲、0 ~ 40℃)
25 [℃]
(5) ケーブル長
(本器と試料を接続しているケーブルの長さ)
0 [m]
(6) 測定レンジ:Zr
(測定時のレンジ設定値)
10 [Ω]
(7) DCバイアスの有効/無効 無効
(8) 被測定物の測定値 Cs = 205.41 [uF]
D = 0.045345

Zとθの算出

まず、この測定値 (8) を次式にあてはめ、θとZを求めます。

計算式
  • θの計算結果は、位相角測定結果QXと比べて符号が逆になるか、または180°ずれる場合があります。

θと Zの算出

測定パラメタがCs, Dなので、θと Z は、

  • θ = | tan-1 D-90°| = 87.404°
  • Z = | 1 / ( 2 π f Cs sin θ ) | = 6.4634 [Ω]

インピーダンス測定値の確度

測定条件と係数の表から各係数を求め、それを用いてインピーダンス測定値の測定確度を求めます。
この時、先の計算で求めたZを表中のZxとみなします。

(係数各表は、測定確度に記載しております。)

(9) 基本・比例係数表から、基本係数 A比例係数 Bを求めます。
基本・比例係数表から、基本係数 Aと比例係数 Bを求めます。

基本係数Aと比例係数B

測定レンジ = 10Ω、測定速度 = MED、周波数 120Hz から、
A = 0.17 [ % ] ,B = 0.02 [ % ]

(10) 比係数表と(6) Zrより、比係数 Uを求めます。
比係数表より、比係数 Uを求めます。

比係数U

U = Zr [Ω] / Zx [Ω] = 10 / 6.4634 ≒ 1.547

(11) 信号レベル係数表より、信号レベル係数 Vを求めます。
信号レベル係数表より、信号レベル係数 Vを求めます。

信号レベル係数

測定信号レベル = 1 [V]、測定レンジ( Zr ) = 10 [Ω]、測定速度 = MED なので、V = 1

(12) 残留インピーダンス係数表から、残留インピーダンス係数 Kzを求めます。
残留インピーダンス係数表から、残留インピーダンス係数 Kzを求めます。

残留インピーダンス係数

ケーブル長係数 KC = 0.001 × 周波数 [kHz] × (ケーブル長 [m]) 2
= 0.001 × 0.12 × 0 = 0 より、
Kz = ( 0.003 + Kc ) / Z [Ω] = ( 0.003 + 0 ) / 6.4634 ≒ 0 [%]

(13) 残留アドミタンス係数表から、残留アドミタンス係数 KYを求めます。
残留アドミタンス係数表から、残留アドミタンス係数 KYを求めます。

残留アドミタンス係数KY

KY = Z [Ω] / (3 × 108) = 6.4634 / (3 × 108) ≒ 0 [%]

(14) 温度依存係数表から、温度依存係数 KTを求めます。
温度依存係数表から、温度依存係数 KTを求めます。

温度依存係数KT

周囲温度は25 ℃ なので、KT = 1

(15) DCバイアス係数表から、DCバイアス係数 KBを求めます。
DCバイアス係数表から、DCバイアス係数 KBを求めます。

DCバイアス係数 KB

DCバイアス無効なので、KB = 0

確度の式に各係数を代入し、インピーダンスの測定値ZXの確度± Az [%] を求めます。

インピーダンスZXの確度

Az = ( A+B × U+Kz+Ky ) × V × KT+KB × U
  = ( 0.17 + 0.02×1.547 + 0 + 0 ) × 1 ×1 + 0 × 1.547
  ≒ 0.201 [%]

▶︎Zxの確度は±0.201[%]と求まりました

位相角の測定値θXの確度±Pz [ ° ] を次の式で求めます。

位相角θXの確度

Pz = 0.573 × Az = 0.115

▶︎θXの確度は±0.115[ ° ] と求まりました

これで、インピーダンスの大きさと位相角の確度を求められました。

静電容量と損失係数の確度

容量測定値 ( Cs ) と、損失係数 ( D ) の確度は、Azおよび表1から求めます。

表1 パラメタの測定確度

パラメタ 測定確度
|Y| ±Az [%]
Lp, Ls, X ±Az [%] (|Qx| ≧ 10)、±Az/sinθx [%] (|Qx| < 10)
Cp, Cs, B ±Az [%] (|Dx| ≦ 0.1)、±Az/sinθx [%] (|Dx| > 0.1)
Rp, Rs, G ±Az [%] (|Qx| ≦ 0.1)、±Az/cosθx [%] (|Qx| > 0.1)
Rdc ±Az [%]
Q ±QX2 × Pe/(1 – |Qx| × Pe) (|Qx| ≧ 10、|Qx| × Pe ≦ 0.1)
ここで 位相角の誤差 Pe = 0.01 Az [rad]。
(Qの測定確度は絶対値です。%値ではありません。)
D ±(0.01 × Az) (|Dx| ≦ 0.1)
(Dの測定確度は絶対値です。%値ではありません。)
  • DX,QX,θXは実際の測定結果を表す。

CとDの確度

|Dx| ≦ 0.1であることから、

  • Cの測定確度= ± Az = ± 0.201 [%]
  • Dの測定確度 = ±( 0.01 × Az ) = ± 0.00201

▶︎Cの測定確度は、±0.201 [%]、Dの測定確度は、±0.00201 になります。

これら以外のパラメタに対する測定確度の求め方については、表1 パラメタの測定確度をご覧下さい。
ここで説明した方法と同様に、任意の条件での測定確度を求めることが出来ます。

仕様
外形寸法

仕様・測定確度

外形寸法

外形寸法
  • ZM2371も同じ寸法です。

価格表
オプション情報

本体

  • ZM2371 LCRメータ

    ¥220,000(税抜)

  • ZM2372 LCRメータ

    ¥260,000(税抜)

付属品

  • 電源コードセット(3極,2m) 1
  • 取扱説明書 1
  • CD(アプリケーションソフトウエア、LabVIEWドライバ、サンプルプログラム) 1

オプション

テストフィクスチャ・テストリード(汎用部品)

  • 2324 4端子ワニグチクリップテストリード

    • 4端子接続用テストリード
    • 低インピーダンスまで正確に測定
    • 4端子が完全に独立し、電流検出用抵抗などの4端子部品にも対応
    • 測定周波数 100kHz以下

    ¥62,000(税抜)

  • 2325AL ケルビンクリップテストリード

    • ケルビンクリップを用いた4端子接続用テストリード
    • クリップの上下の電極は電気的に絶縁
    • 低インピーダンス測定に適する
    • リード間隔が広い部品や特殊な端子形状の部品の測定に
    • 測定周波数 100kHz以下
    • 小型クリップの2325AMあり

    ¥130,000(税抜)

  • 2325AM ケルビンクリップテストリード

    • ケルビンクリップを用いた4端子接続用テストリード
    • クリップの上下の電極は電気的に絶縁
    • 低インピーダンス測定に適する
    • リード間隔が広い部品や特殊な端子形状の部品の測定に
    • 測定周波数 100kHz以下
    • クリップサイズの大きい2325ALあり

    ¥100,000(税抜)

  • ZM2392 ケルビンクリップテストリード

    • ケルビンクリップを用いた4端子接続用テストリード
    • 簡易測定用
    • 低インピーダンス測定に適する
    • 測定周波数 20kHz以下

    ¥28,000(税抜)

  • ZM2391 3端子ワニグチクリップテストリード

    • ワニ口クリップと2つのシールドクリップを持つ2端子接続用テストリード
    • 高インピーダンス測定に適する
    • 測定周波数 20kHz以下

    ¥24,200(税抜)

テストフィクスチャ・テストリード(チップ部品)

  • ZM2366 チップテストリード

    • 2端子接続で表面実装部品を測定するピンセット型テストリード
    • 50Ω以上のインピーダンス測定に適する
    • 測定周波数 10MHz以下
    • 先端間隔 1~8mm typ.

    ¥60,000(税抜)

  • ZM2394H チップテストフィクスチャ

    • 2端子接続で表面実装部品を測定するテストフィクスチャ
    • 直結型により、浮遊容量や残留インピーダンスが少ない
    • 測定周波数 DC~36MHz
    • 対応部品サイズ  0603(厚さ0.3mm)~14mm角(底面)

    ¥113,000(税抜)

  • ZM2393 チップテストフィクスチャ

    • 2端子接続で表面実装部品を測定するテストフィクスチャ
    • 直結型により、浮遊容量や残留インピーダンスが少ない
    • 測定周波数 1.2MHz以下
    • 対応部品サイズ  1608~5750
    • 36MHzまで対応の機種(ZM2394H)を用意

    ¥48,000(税抜)

  • 2326A チップ部品用テストリード

    • 2端子接続で表面実装部品を測定するピンセット型テストリード
    • 数十Ω以上のインピーダンス測定に適する
    • 測定周波数 1.2MHz以下
    • 先端間隔 1~8mm typ.

    ¥77,000(税抜)

テストフィクスチャ・テストリード(リード部品)

  • ZM2363 テストフィクスチャ

    • 4端子接続で小型2端子リード部品を測定するテストフィクスチャ
    • 接触抵抗の影響を抑え、低インピーダンスでも正確に測定
    • スライドコンタクト装着でアキシャルリード部品に対応
    • 測定周波数 10MHz以下

    ¥50,000(税抜)

アダプタ

  • ZM2328 DC電圧バイアスアダプタ

    • 試料に±40Vのバイアス電源を印加するアダプタ
    • LCRメータとテストフィクスチャの間に接続して使用

    ¥60,000(税抜)

テストフィクスチャ・テストリードの詳細はこちら 詳細

  • ラックマウント金具が必要な場合はご相談ください。

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