直流電流250Aを重畳したインダクタの測定
車載用のパワーインダクタやインバータ用の平滑インダクタは、実際の回路において、直流電流が重畳された状態で使用されます。EV やHEV 用DC-DC コンバータの回路では、100A を超える直流バイアス電流を重畳した測定や、高周波において直流バイアス電流を重畳した測定が求められています。
最大250Aの直流電流にて測定
問題点
車載用や大型インバータ向けのインダクタでは、100Aを超える直流電流が流れる場合があります。一般にLCRメータでは大きな直流電流を流して測定することはできません。
解決策
以下に紹介するインダクタンス測定システムは、最大250Aまでの大電流における電流重畳に対応しています。
- 専用DC バイアス電流源を並列接続し、最大250 A の直流重畳特性を測定可能
- 大電流重畳に対応した、専用テストフィクスチャ:リード部品用250 A /チップ部品用125A
- 最大2 GΩの広いインピーダンス測定レンジ
- 逆起電力や過熱、過電圧、誤接続などに対する保護機能搭載
- トランス測定モード搭載:巻線比、リーケージインダクタンスなど
実測例
0.24μHのインダクタ
(0~40 Aの直流バイアス電流を重畳した時の周波数特性)
構成機器
直流重畳バイアス40A/高周波120MHzにおける測定
問題点
電源用デバイスのスイッチング周波数の高周波化に伴い、高速の電流変化が想定され、その場合のインダクタの振る舞いを観測する必要があります。
解決策
以下に紹介するインダクタンス測定システムでは、最高120MHz, 最大重畳電流40Aにおいて測定が可能なラインナップを用意しています。
- 最大40A を重畳して、120MHz までの測定が可能
- 大電流重畳、高周波に対応した専用テストフィクスチャを用意
- 逆起電力や過熱、過電圧、誤接続などに対する保護機能搭載
構成機器
測定例
33μHのインダクタ
(0~10 Aの直流バイアス電流を重畳した時の周波数特性)
機器構成ごとのインダクタンス測定範囲
周波数−インダクタンス
周波数−重畳電流