銅線のインピーダンス測定

省エネルギー化が進み、トランスやモータにも効率化が要求されるようになりました。効率改善には損失(鉄損や銅損)の改善が必要です。
部品の高周波化に伴い、使用する銅線を実際の使用状況に近い状態、すなわち高い周波数・大電流において評価する必要があります。

高周波電流が流れる条件で銅線の性能を確認

問題点

銅線は直流のインピーダンスが非常に小さいため、定電圧を印加した場合に安定した電流を流すことが困難です。また、LCRメータでは小信号の測定となり、大電流を流した条件での測定ができません。

解決法

  • 電流を流してインピーダンスを測定
    周波数特性分析器FRA51615は外部に電流を増幅するアンプを接続することで、銅線を実使用状態に近い大電流にて測定できます。LCRメータでは外部のアンプ接続ができず、小信号による測定のみとなります。
  • 交流定電流を出力
    バイポーラ電源BPシリーズは最高70kHzの定電流動作が可能です。最大電流10Aから100Aまでの10機種をラインナップしています。高周波・大電流を銅線に流すことができます。
  • 直流バイアス電流を重畳
    バイポーラ電源BPシリーズは交流電流に直流電流を重畳した出力が可能です。インバータに使用されるコイルを模擬した条件の測定も可能です。

測定の構成機器

  • 周波数特性分析器  FRA51615
  • バイポーラ電源  BPシリーズ(必要な電流に応じて機種を選択ください)

測定ブロック図

  • FRA と定電流出力可能なバイポーラ電源(BP4610)を使用して、電流一定時の銅線のインピーダンスを測定します。
  • 銅線両端電圧と、電流をシャント抵抗(1Ω)を使用して測定し、インピーダンスの周波数特性をグラフ表示します。
  • 電流は正弦波 6Apk、周波数範囲は10Hz~70kHz。

実測データ

直径の異なる電線のインピーダンス (φ1.8mm、φ2.2mm、φ3.3mm)

  • 100Hz 付近までインピーダンスは一定で、周波数による影響が少ないですが、1kHzを超えるあたりから、リアクタンス成分が影響していると考えられます。
  • φ3.3の銅線は、他の径と比較してインピーダンス変化が異なります。配線形状などの要素が影響している可能性が考えられます。

使用している製品

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