AEアナライザAE9702S / AE9702 / AE9701

¥1,500,000 ~(税抜)
概要
高度な解析機能を備えたAE測定器
製造工程の異常を早期検出、生産設備のメンテナンスなどの用途に
測定器と測定・解析ソフトウェアを組み合わせて、AE信号を解析するシステムです。
摩擦・摩耗などにより発生する“連続型AE信号”、亀裂・破損などによる“突発型AE信号”を解析する2種類のアプリケーションソフトウェアを用意しています。
センサからのAE信号を増幅・フィルタリングしてPCへ転送し、リアルタイム波形表示、STFT(短時間フーリエ変換)表示、特徴量の抽出や位置標定などが可能です。
別途センサとプリアンプを用意することで、AE解析を開始することができます。
2チャネルのAE9702、AE9702S、1チャネルのAE9701をご用意。
システム構成
AE9702S New

AE9702

AE9701

正面パネル・背面パネル

ユーザインタビュー
- 石川工業高等専門学校
准教授 山下順広氏
- 埼玉工業大学 工学部機械工学科
准教授 長谷亜蘭氏
特長
測定器
センサからのAE信号を、適切に増幅・フィルタリングしてPCへ転送します。
AEセンサに加えて、加速度センサで多様な評価が可能です。
- 高時間分解能 原波形収集 最大4MS/s(1チャネル出力時)
- アンプおよびフィルタを内蔵
利得 最大60dB、遮断周波数可変ローパスフィルタ/ハイパスフィルタ - 様々なセンサに対応
- AEセンサ, プリアンプ内蔵加速度センサ, ラインドライブ型プリアンプ
- AEセンサで故障の予兆を検知し、加速度センサで故障直前をモニタすることも可能
- 2チャネル入力 (AE9702) / 1チャネル入力 (AE9701)
- 小型軽量 質量 約1.4kg (AE9702)、約1.2kg (AE9701)

測定・解析ソフトウェア
突発型AEアプリケーションソフトウェア
亀 裂
破 損
突発型AE信号の解析に。破壊などの過程を統計的に評価。
亀裂の発生や進行に伴い放出される突発型AE信号を抽出し、累積発生数や立ち上がり時間などの統計処理を行うことで、現象を詳細に解析することができます。
- 測定器の制御、信号収録
- 突発型AE波形を抽出
- 特徴量のリアルタイム表示
- 位置標定
2つのセンサへの信号到達時間差から発生源を位置標定
- 波形ビューア
抽出した原波形をリアルタイム表示 - 保存済みデータの再解析
保存したデータを読み出し、各種条件を変更して再解析
特徴量のリアルタイム表示
FFT振幅スペクトル[dBV]

- 選択した突発型波形の周波数成分分布。
- 縦軸はリニアスケールまたはログスケール表示可能です。
周波数重心[Hz]

- 周波数スペクトル分布図の全面積を等分する周波数
AE累積発生数

- AE信号の累積発生数
AE振幅最大値[V]

- 指定時間内の最大振幅
エネルギー[V2]

- 指定時間内のAE波の2乗累積値
RA値[s/V]

- 立ち上がり時間を振幅最大値で割った値
立ち上がり時間[s]

- 振幅しきい値を超えてから最大振幅値までの時間
位置標定
AE発生位置プロット

AE発生位置 時系列 プロット

AE発生位置 ヒストグラム

- アルミの棒(40cm)の両端にセンサを取り付けて折り曲げる。
- 30cm付近の脆弱な箇所から、AE信号が集中的に発生している。
連続型AE アプリケーションソフトウェア
摩耗・摩擦
漏 洩
連続型AE信号の解析に。
摩擦・摩耗、漏洩などの現象を連続的に観察。変形・破壊過程の詳細な観測が可能です。
- 測定器の制御、信号収録
- STFT(短時間フーリエ変換)機能
- 特徴量のリアルタイム表示
- 波形ビューア
取得した原波形を連続して観察可能 - 保存済みデータの再解析
保存したデータを読み出し、各種条件を変更して再解析
STFT(短時間フーリエ変換)機能
測定例 転がり軸受 正常品と回転ムラのある不良品との比較

FFT機能
STFT表示の任意の時間を選択して、FFTを表示可能です。
周波数領域における特徴的な変化を解析できます。

特徴量のリアルタイム表示
最大振幅
指定時間内の最大振幅

周波数重心
周波数スペクトル分布図の全面積を等分する周波数

カウント
指定時間内のAE波発生頻度

エネルギー
指定時間内のAE波の2乗累積値

測定例 金属の摩擦波形
包絡線検波波形(エンベロープ波形)

測定事例
水素圧力容器の漏洩検出
水素ステーションの蓄圧器をはじめとする圧力容器では、定期的な検査が必要です。
圧力容器の検査では、内部の微細な疲労損傷の検知が求められる上、高純度の水素を扱うことから、内面が汚染される開放試験は極力避けたいとされています。
微細な損傷検出と供用中の検査が両立可能なAE計測は、水素蓄圧器などの診断や異常検出むけに研究が進んでいます。
連続型AE
連続型AEアプリケーションにより、AE信号の特徴量「エネルギー」の変化を観察
ブロック図

測定の内容
- エアを充満したパイプに設置したAEセンサからの信号を、AEアナライザと連続型AEアプリケーションソフトで測定する。
- 圧力計に変化が見られなくても、特微量「エネルギー」(指定時間内のAE波の2乗累積値)を観察することにより、漏洩を検出できる。
- 正常な状態から脆化等に伴う変化を常時観察することで、早期に異常を検知できる。
測定結果

金属材料引張試験
金属材料をはじめとする素材の機械的性質を測定する目的で、引張試験が行われます。引張試験においてAE信号を検出・解析することで、破断にいたるまでの材料の状態を評価することが可能です。
突発型AE
突発型AEアプリケーションにより、抽出条件に適合したAE信号をもとに、クラックの発生や破断を検出
ブロック図

測定の内容
引張試験が進展するにつれて材料からは多様なAE信号が発生します。AE信号を解析して得られた特徴量からクラックを検出します。さらに破断に至るまでのAE信号を観察するとともに、破断寸前には警報を発出します。
また、2つのセンサにて検出したAE信号の差をもとに、破断が発生した位置を標定します。
- 引張試験においてクラックを検出すると、信号灯に警報信号を出力します。
- クラック位置を標定、破断時のAE信号も観察できます。
測定の様子
ベアリングの劣化検出
ベアリングは様々な製造設備において使用されています。長期的な使用に伴い、劣化が起こります。正常品と不具合品のAE信号を解析して比較することで、劣化を見出すことが期待できます。
連続型AE
連続型AEアプリケーションにより、AE信号の波形とSTFT、および特徴量の変化を観察
測定の内容
ベアリングの試験装置において、正常品と不具合品を動作させます。
発生するAE信号の波形、STFTデータ、および特徴量を比較すると差異があることが見て取れます。
- 短時間フーリエ変換(STFT)により、対象物の微小な変化を検出できます。
- 4つの特徴量から、正常品からの経時的な変化を見出し、摩耗などに伴う劣化を早期に検出できます。
測定の様子
切削加工における工作物の監視
切削加工は、短時間で効率よく仕上げることが求められます。短時間に強い負荷を加えるような加工条件では、損傷を与える懸念があります。効率のよい適切な加工条件を求めるため、加工状態を監視します。
連続型AE
連続型AEアプリケーションにより、工作物の加工状態をモニタリング
工作物が破損に至るまでのAE信号波形とSTFT(短時間フーリエ変換)を観察し、データを収録

突発型AE
突発型AEアプリケーションによる評価
条件を設定して、突発型AE信号を抽出可能。また、微小な損傷状態も、各特徴量を評価することにより検出可能です。
収録したデータを、フィルタにより絞り込むことで、損傷に至る前に特徴量の著しい変化を捉えられます。

仕様
外形寸法
価格表
オプション情報
本体
新製品
AE9702S AEアナライザ
¥2,300,000(税抜)
AE9702 AEアナライザ
¥2,000,000(税抜)
AE9701 AEアナライザ
¥1,500,000(税抜)
オプション
オプションはありません。