超音波には、計測・センシング応用の他にエネルギー応用がある。身近なものは超音波洗浄であるが、その他にも切削、穴あけ、曲げなどの機械加工、プラスチックのカシメ、接合、細線のボンディング、乳化や化学応用など多岐にわたる。医用応用でも歯科のスケーラから白内障手術、がん治療まで広がりを見せている。これらの応用の中心は超音波を発生させる振動子であり、そのほとんどが圧電セラミックスを用いたものである。
本講演では、超音波用圧電振動子の構造と使い方を概観し、ハイパワー領域で用いた場合に起きる現象とその評価方法について解説する。また、超音波振動や強力な超音波音場の定量的な測定方法について紹介する。