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技術情報:計測講座

I/Vアンプ(電流/電圧変換増幅器)

I/Vアンプの特長   電圧入力アンプ方式との性能比較

I/Vアンプと電圧入力アンプ方式の特性を比較してみます。条件を同じにするために、信号源インピーダンス、使用オペアンプ、電圧・電流変換係数(利得)は同一とします。

図3 電圧入力アンプ方式

図3 電圧入力アンプ方式

図4  電流入力アンプ方式

図4  電流入力アンプ方式

条件は、以下のとおりです。
(1)信号源インピーダンスCsは、容量性、20pFとする。
(センサ容量、ケーブル・コネクタ容量、アンプの入力容量などの和を想定)
(2)電流・電圧変換係数(利得)は、1×106とする。
 (1μAの電流を1Vに変換することを想定)
・電圧入力アンプ方式は、R=1kΩ、利得=1000倍として、1×106を実現する。
・I/Vアンプは、フィードバック抵抗を1MΩとして、1×106を実現する。
※I/Vアンプはステップ応答にオーバーシュートが発生しないように、補償容量CfをRfに並列に接続する。

 

周波数特性

利得の周波数特性を図5に示します。
周波数帯域は電圧入力アンプ方式が1kHzに対し、I/Vアンプは50kHzであり、50倍もの違いがあります。電圧入力アンプ方式の周波数帯域1kHzは、利得帯域幅1MHzのオペアンプを1000倍の電圧増幅器として動作させているためです。一方、I/Vアンプの周波数特性は、 Cf(3.3pF)とRf (1MΩ)で決まる遮断を持つ2次系の特性となります。

図5 利得 vs 周波数比較

図5 利得 vs 周波数比較

 

入力インピーダンス

入力インピーダンス特性を図6に示します。
電圧入力アンプ方式では、入力インピーダンスが低域から高域まで一定して1kΩを示しているのに対し、I/Vアンプは、低域で10Ω、10Hzあたりから6dB/octの傾斜で増加していきます。この例では、1kHzを境に低域ではI/Vアンプが優れており、高域では電圧入力アンプ方式が優れていると言えます。

図6 出力雑音電圧密度 比較

出力雑音電圧密度 比較

雑音特性

雑音特性を図7に示します。
縦軸は、出力の雑音電圧密度です。300Hzにおいて比較すると、電圧入力アンプ方式が5μV/√Hzであるのに対し、I/Vアンプは130nV/√Hzと、40倍優れています。 電圧入力アンプ方式は、オペアンプの電圧雑音成分と電流雑音成分と入力抵抗Rinの熱雑音全てが1000倍され、合計すると5μV/√Hzと大きな値になってしまうのに対し、I/Vアンプは、電圧利得1倍で動作しており、オペアンプの電圧雑音成分と電流雑音成分が1倍で出力され、フィードバック抵抗の熱雑音(130nV/√Hz )がそのまま出力されるためです。

図7 出力雑音電圧密度 比較

図7 出力雑音電圧密度 比較

 

まとめ

  • 周波数帯域が広い
  • 低域での入力インピーダンスが低い
  • 出力電圧雑音密度が小さい

I/Vアンプの入力インピーダンスは高域では数10kΩになりますが、信号源インピーダンスが数MΩ以上あれば信号の減衰はほとんどなく、実使用上問題となりません。優れた周波数特性と雑音特性を持つI/Vアンプは、広い周波数範囲でSN比が優れており、総合点が高いと言えます。