LCRメータの機能と正しい使い方
電子部品のパラメタを正確に測定するには?
抵抗・コンデンサ・インダクタンスは、電子回路の中で必ず使用されている部品です。電子回路の設計を行う上で、これらの部品の値を正確に測定することは、たいへん重要になります。部品の値の測定には、LCRメータを使うのが一般的です。
この特集では、LCRメータを使って部品の測定を行う場合、誤差要因になりやすい試料との接続と誤差の補正方法のポイントをご紹介します。
誤差を補正するには?
誤差を補正するには?
LCRメータは、測定誤差を軽減するために、いくつかの補正機能を持っています。補正値は、周波数やインピーダンスのレンジごとに異なるため、全範囲の補正には時間がかかります。
ここでは、ゼロ補正とロード補正について解説します。
ゼロ補正
LCRメータのゼロ点のズレが測定値に対して無視できないときは、ゼロ補正を行います。
ゼロ点のずれは、ケーブルや電極の物理的な配置で変化するため、オープンおよびショートのゼロ補正は、部品を接続したときと同じケーブルの引き回し、電極間隔で行う必要があります。(図A, B)



LCRメータの内部では、図Cの等価回路を仮定して、次のような関係式で補正しています。


ロード補正
測定治具の違いなどにより生じるゼロ点以外の測定誤差が無視できないときは、図Dに示すロード補正を行うことで確度を向上できます。ロード補正機能がないLCRメータでも、インピーダンスのレンジや周波数ごとに補正係数を求めて、自分で補正することができます。
ロード補正を行うには、まず標準器や正確な値のわかった部品を用意します。ゼロ補正後、値の分かった標準インピーダンス Zstdを測定して、測定値 Zmsを得たとすると、次の式で補正係数が求まります。

実際の試料を測定して値 Zmを得たときは、次の式で真の値を求められます。

