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技術情報

技術用語集

ひずみ率

ひずみ率

  • Distortion Factor
  • 失真率
  • 왜곡률

 

ひずみ率とは、波形のひずみの程度を表すもので、一般的には、その波形に含まれる全高調波成分(E2En)の実効値の総和と基本波(E1)の実効値との比として定義される。

 

式1

 

ひずみ率の測定には、ひずみ率計(オーディオアナライザ)やFFTアナライザ、スペクトラムアナライザなどが用いられるが、もっとも基本的なひずみ率計の基本構成を図1に示す。

 

図1

 

図1 ひずみ率測定器の基本構成 

 

図1のCAL出力は入力信号で、CALに切り替えた状態でメータが100%を指示するように信号レベルを調整する。その後、基本波成分を除去した高調波成分出力であるDMに切り替えるとMはひずみ率を指示する。

図1のひずみ率は下式で表される。

 

式2

 

入力信号全体を分母とした方式のひずみ率計では、ひずみ率が30%を超えると誤差が大きくなる。
オーディオアナライザなどでは、高調波だけを取り出すことができるが、図1のひずみ率計では、入力ノイズもひずみ率計内部のノイズも同時に測定してしまう。したがって、上式の分母と分子の両方にノイズが加わった定義式となる。

 

波形ひずみには、他に混変調ひずみがある。

混変調ひずみの測定には、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)法とCCIF(現在のITU-T、ITU:国際電気通信連合)法とがある。

SMPTE法は、周波数が離れた二つの信号混合波の試験信号を用い、CCIF法は互いに近接した二つの周波数を同一振幅で用いる。

 

 

当社は、1961年に「自動低周波ひずみ率計」の特許を出願し、1964年に公告されました。

0.1 %のひずみを測定しようとすると、基本波は80dB(0.01%)以上除去させる必要があります。そのためには、ひずみ率計の基本波除去フィルタ(BEF)を微調整しながら測定値を瞬間的に読みとらなければなりません。

これは実用的には非常に困難なので、次のような解決手段が考えられました。

  • 中心周波数をわずかずつずらしたBEFを複数個直列に接続し、減衰域の帯域幅を広げる。
  • BEFの中心周波数調整を自動化する。

2番目が特許になった自動同調ひずみ率計の方式です。

BEFの中心周波数がずれると、出力には90度または-90度ずれた基本波成分が現れます。

また、BEFのバランス*がくずれると、同相または逆相の基本波成分が現れます。

したがって、90度または-90度の基本波成分が小さくなるように中心周波数を自動調整し、同相または逆相の基本波成分が小さくなるようにバランスを自動調整すれば、基本波成分を安定して十分に除去することができます。

このために、ロックインアンプと同じ位相検波(PSD)技術が用いられています。(用語集位相検波

 

図2

 

 図2 自動同調ひずみ率計の基本構成

 

*バランス調整とは?

 

図3で(e1-e2)がBEF特性となります。

BEFの中心周波数は、図3のR3、R4、C1、C2のいずれかで微調整します。そうすると、e2出力の分割比が変化するため、中心周波数における(e1-e2)がゼロになりません。e1出力の分割比をR1またはR2で合わせ込むことによって中心周波数成分を無限小にすることができます。この分割比の合わせ込みをバランス調整といいます。

 

図3

図3 ウィーンブリッジによるBEF

 

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