株式会社エヌエフ回路設計ブロック
計測なんでもHOTLINE 0120-545838
Google

技術情報

技術用語集

バイポーラ電源/バイポーラ増幅器

バイポーラ電源/バイポーラ増幅器

  • Bipolar Power Supply/Bipolar Amplifire
  • 双极性电源/双极性放大器
  • 바이폴라 전원/바이폴라 증폭기

 

負荷に電圧を印加したときに流れる電流は、その電圧や負荷のインピーダンスに依存する。

負荷に電圧を加え、そのときの電流をプロットしながら変化させていくと、図1のような軌跡になり、これは負荷線(ロードライン)と呼ばれる。

抵抗負荷時に直線になる負荷線は、誘導負荷では図2のような円形になる。

縦軸と横軸で区切られたグラフの四つの領域を「象限」と呼び、抵抗の場合、負荷線は1象限(Ⅰ) と3象限(Ⅲ)にだけ存在する。

しかし、負荷がインダクタやコンデンサの場合には、負荷線は1象限(Ⅰ)から4象限(Ⅳ)まですべてに存在する。

バイポーラ電源(増幅器)とは、1象限から4象限の全領域で動作できる電源(増幅器)のことである。

1象限と3象限では電力を供給(ソースモード)し、2象限と4象限では電力を吸収(シンクモード)することになる。

図2のように、インダクタ(またはキャパシタ)を負荷にした場合は、負荷線が2象限や4象限にも存在するため、電力を吸収できるバイポーラ電源でなければうまく駆動できない。

 

R負荷時の負荷曲線(電圧と電流の位相差0°)

L負荷時の負荷曲線(電圧と電流の位相差90°)

図1 抵抗負荷時の負荷曲線(電圧と電流の位相差0°)

図2 誘導負荷時の負荷曲線(電圧と電流の位相差90°) 

 

 

バイポーラ電源と聞いて、「第2、第4象限で吸収した電力はどこに行くのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

この疑問に対する回答は、大きく3つに分かれます。

1. リニアアンプ方式バイポーラ電源の場合は、内部素子で熱として損失させる。

2. スイッチングアンプ方式バイポーラ電源の場合で、内部の直流電源*1が電力を系統に回生*2できない場合は、吸収した電力を抵抗などで熱として損失させる。
(モータ用インバータでいうブレーキ抵抗が同じ役目といえます。)

3. スイッチングアンプ方式バイポーラ電源の場合で、内部の直流電源が系統に電力回生可能な場合は、系統に回生する。

具体的には、高速応答が要求される場合はリニアアンプ方式で、大電力を扱うものは2.または3.の方式で実現することが多いです。

電力を吸収できるという点では、電子負荷もバイポーラ電源と同じです。CC(定電流)モードが使えるバイポーラ電源は、使い方によっては電子負荷にもなります。

それならば、その逆、電子負荷はバイポーラ電源として使用できるのでしょうか?

受動素子負荷(例えば抵抗負荷)が電力の供給源にはならないのと同様に、多くの電子負荷は相手に電力を供給できない形になっており、第1及び第3象限での動作は限られたものになります。

したがってほとんどの場合、電子負荷はバイポーラ電源とはならない、ということになります。

 

*1:内部の直流電源
系統から得た交流を、アンプ部の電源として必要な直流に変換している部分です。

*2:回生
ここでは、系統へ電力を戻す意味として使用しています。ちなみに、通常の電力供給を受ける場合は、力行(りっこう)といいます。

関連リンク